視能訓練士

後列 利根川、藤森、永濱、江崎、新井、永井(フォトグラファー)
前列 服部、島田、宮下、堀井、渡辺(フォトグラファー)

宮下 順子

あまり馴染みのない職業ですが、視能訓練士とは眼科における検査全般を担当する検査技師です。

元々は約40年ほど前に小児の斜視や弱視を専門的に検査する国家資格を持った医療技術者としてスタートしましたが、眼科検査の器械化と子供の減少によって、今では小児のみならず、眼科における一般検査及び特殊検査を行う検査技師へと変化してきました。

先生方のお力のおかげで定員も大幅に増え、現在アイセンターには9名の視能訓練士が在籍し、日々忙しく仕事をしております。

アイセンターでの我々の業務は、診察の基本となる視力、眼圧検査を始め、視野検査 白内障術前検査(角膜内非細胞測定 眼軸長測定) 電気生理学検査等の一般検査が多くを占めます。

しかしながら、特に小児の患者さんや成人でも麻痺性の斜視のある患者さんには両眼視機能検査、眼球運動検査等の特殊検査を行っております。また、全ての検査はその後の診察の基本となるため、正確な結果を導き出すよう努力していますが、自覚的検査が多い眼科検査ではコミュニケーションがとれず困難な例も多々あり、苦労しております。

日々の患者さんは小児から高齢の方までさまざまで、特に高齢の方は検査の為の移動でも大変な負担になる方場合もあります。患者さんの協力無しには出来ない時間がかかる検査も多い為、患者さんの疲労具合、体調を見ながら少しでも負担が軽くなり、気持ちよく検査を受けられるよう心がけています。

現在 毎週金曜日の午後が小児眼科外来になっているので、金曜日は一日通して50名前後の小児の患者さんが来院します。小児は自覚的返答が出来ないかもしくは信頼性に欠けるので、他覚的に検査を行う必要があり、成人の倍以上の時間が必要です。しかも集中力も無い為、常に興味を引く視標を見せながら手早く検査を行う手際の良さも必要とされます。さらに信頼性のある結果を導き出さなければならず非常に大変ですが、検査後の子供達の屈託の無い笑顔をみていると苦労も吹き飛びます。

また、私達は患者さんから先生には直接言えない質問やクレームを頂く事が多いです。その様な時も私達の対応で解消できることもあるので、できるだけ患者さんの話に耳を傾け満足度の高い医療サービスの提供に努めていきたいと思います。

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