アイセンター診療のトレンド

三木 大二郎

1999年(平成11年)新外来棟完成と同時にアイセンターが開設され、今年で10年目を迎えます。アイセンターは外来棟の5階に位置し、5階フロアの大部分を占めています。また、外来棟5階には外来手術室も併設されています。2004年には第一病棟が新築され、5階部分で眼科病棟と眼科外来、外来手術室が連続し、病棟、外来、手術室がワンフロアでつながった本格的なアイセンターが完成いたしました。

手術部門では、外来手術室で日帰り白内障手術のみ行われていましたが、新病棟の開設と同時に全身麻酔、夜間緊急手術以外の全ての手術が外来手術室で行われるようになり、手術件数も飛躍的に増加しています。平成10年度アイセンター初年度の総手術件数は1285件でしたが、平成19年度は2613件に増加しています(図1)。各疾患の手術件数に関しては各専門外来からコメントがあると思いますので、ここでは省略させていただきます。

図1手術件数

図1 手術件数

入院部門では、2004年の新病棟開設前までは眼科のベッド数は25床でしたが、新病棟開設により30床に増加し、現在では35床となっております。病院の組織上の問題で1-5病棟は眼科専門病棟というわけには行かず、41床のベッドを眼科35、耳鼻科6床となっておりますが、41床ほとんど全て眼科で使用しているのが現状です。

クリニカルパスを使用することにより、入院日数の減少と回転が速くなりました。現在、入院の白内障手術は2泊3日、網膜硝子体手術は6泊7日、PDTは1泊2日でパスを組んでおります。また、炎症外来、黄斑外来の充実により、点滴加療中心の手術以外の疾患、脈絡膜新生血管に対するPDTの入院も増加しています。

外来部門では、外来患者数は平成11年度59230(一般 54882、救急 4348)が平成19年度は73175(一般 70135、救急 3041)と増加しています(図2)。紹介患者数も年々増加しています(図3)。近隣の諸先生ばかりでなく、埼玉県、神奈川県など隣接県の医療機関、さらには福島県やさらに遠方の医療機関からのご紹介も増加しています。今まで以上に病診連携システムの充実を図っていきたいと思っております。

図2外来患者数

図2 外来患者数

図3紹介患者数

図3 紹介患者数

アイセンター創設当初は新入医局員も増加傾向にありましたが、スーパーローテーションの導入とともに著しく減少しており、退局者とあわせると全体の医局員は減少しております。この2-3年では関連病院も一部削減させていただき、アイセンター内の医師数を確保しています。関連病院や同門会の諸先生方には多大なるご迷惑をおかけいたしているしだいです。ホームページを充実し新入医局員を大々的に募集し、また、大学内では学生、スーパーローテーターへの教育を充実することによりできるだけ医局員を確保できるよう努力しております。

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