◆新中央手術室について(平岡 智之)

<1>

◆ 外来手術室の紹介(並木 泉)

<2>

◆ 水晶体班の活動と近況(渡辺 交世)

<3>

◆ 外来表

<4>

◆ イベント情報

<4>

◆ 編集部より

<4>


新中央手術室について
平岡 智之

 今年5月に新しい中央手術室が完成しましたので御紹介したいと思います。
 この手術室は新しく完成した中央病棟の中にあります。地下1階、地上5階からなり、地下に材料部・病理部、1階にICU、2階に手術部、3・4階に循環器病棟、5階にOncology病棟が配置されています。材料部は院内で使用した器具の洗浄・滅菌の集中管理を行います。病理部は手術室とエレベーターで直結し、迅速な病理診断が可能となりました。ICUはこれまでの6床から18床に増床し全ベッドを個室化しています。循環器病棟は循環器内科と心臓血管外科との合同病棟となっています。Oncology病棟は大学病院では数少ない化学療法専門病棟で、クリーン度の高い病室を多数配置しています。
 新手術室は全16室が全ての手術に対応できる設計となっています。中央に機材室・麻酔管理室を配し、手術室が通路の外周にそって配置されています。通路も広く・大きな窓から明るい日差しの射し込む作りとなっています。完成後の新手術室を見て、早くここで手術したいという珍しい声が多数聞かれたのも無理はありません。入室は職員カードによるID承認から始まります。感染制御理論に基づき一足制を導入し、靴は下足のままでOKです。手洗いも同様で、柔らかいブラシで一回洗ったあとは手揉み洗いのみです。シーリングペンダントの導入により床にはほとんとコードがなく、硝子体手術中につまづく心配も無くなりました。顕微鏡はもちろん無影灯にもCCDカメラが接続されており、別室からのモニター・録画も万全で、手術教育にも最適です。
 このように最新設備に生まれ変わった手術室ではありますが、眼科は外来手術室がメインとなっており、小児・眼窩・外傷などの限られた利用となっています。
 慣れないうちは機械にふりまわされて手術をこなす日々でしたが、慣れてくれば非常に快適な環境です。ハード面の最新環境に見合った仕事が出来るよう、我々ソフト面の進歩も必要と感じる毎日です。


<1>


外来手術室の紹介
並木 泉

 平成11年1月に新外来棟がオープンし、同時に外来手術室がスタートし、今年で早くも7年目となりました。外来手術室常勤の看護師は鶴田さん、藤原さんの2人のみで、ほかに1人の補助婦さんという非常に少人数で構成されてます。外来手術室は外来棟5階のアイセンターの隣に併設されており、開設当初は他科も併用で手術を行っていましたが、平成16年4月からは、中央手術室で行っていた眼科手術は、局所麻酔の手術なら外来手術室で行える様になりました。眼科の入院病棟と外来手術室も渡り廊下でつながっており、入院患者さんの手術室への移動も楽にできる様になりました。外来手術室は4部屋あり、そのうち3部屋は眼科が使用しており、ほぼ眼科専用手術室となりました。この3部屋には、Zeissの天井懸垂型の手術顕微鏡が装備されているため、眼科にとって非常に利用しやすい環境となっています。手術装置に関しても、オープン当初より新機種が導入され台数も増えました。白内障手術はインフィニティ2台とレガシー1台、硝子体手術はアキュラス2台が装備されており、申し分ない環境が整っています。
 眼科手術は月曜日から金曜日までの毎日可能であり、日勤帯では日帰り手術のみならず、入院患者の手術も全身麻酔の手術以外はほとんど外来手術室で行っています。白内障手術なら1部屋で午前中5件、午後5件と最大10件行うことができます。また、硝子体手術なら1部屋で午前と午後で最大5件程度行うことが可能です。外来手術室における眼科手術件数ですが、平成11年380件、平成12年777件、平成13年796件、平成14年1009件、平成15年889件、平成16年1,744件と徐々に増加してきており、特に中央手術室と合併し外来手術室で硝子体手術が始まった平成16年度は手術件数が激増しました。最近では、中央手術室から看護師が臨時で外来手術室を手伝う体制ができてきました。今後も手術件数の増加が見込まれますので、さらなる外来手術室の充実と、執刀医となる医局員の数の増加を期待したいと思います。


<2>


水晶体班の活動と近況
渡辺 交世

 水晶体班は、藤原教授のご指導のもと、1998年から赴任された永本助教授が中心となり白内障手術・教育体制および水晶体研究体制の整備に力を入れてきましたが、昨年から並木、一昨年より渡邊・松木が出張病院より帰室後、水晶体班に所属し、臨床・学会活動に励んでおります。ここに最近の水晶体班の活動状況を紹介させていただきます。

1.外来 
 外来は水曜日の午後に水晶体外来、金曜日の午前中に永本助教授による初診の方を含めた外来を行っており、近隣の先生方からの小児や難症例を含む、白内障手術目的を中心としたご紹介をいただいております。小児の白内障は、特に低年齢の場合手術手技的にも術後管理においても難しいものがありますが、当科では術後の視機能生活上の質も考慮し積極的に眼内レンズ挿入を行っており、良好な成績を得ております。またアトピー白内障においては網膜病変を合併することが多いため、網膜硝子体班との協力により、白内障術中に眼底検査を行い必要であれば追加処置を行うことも可能となっています。最近は2nd opinionにての来院、特にメディアの影響により本やインターネットで情報をキャッチされた患者さんも来院されるようになり、外来患者数は年々増加しております。

2.手術 
 白内障手術は、1999年に外来手術室がオープンしたことにより日帰り手術が可能となり、外来手術件数が増加したこと及びシステムの整備に伴い、手術件数は順調に伸びており、1998年には年間400件程でしたが、昨年は950件を突破し、目標としていた1000件を目前としています。永本助教授の指導の下、他の術者も確実な手術技術の修得に加え、難症例を含めあらゆる白内障手術に対応できる術者を目指し、各自レベルアップに努めております。

3.学会・研究 
 学会活動にも積極的に参加を心がけており、2003年4月から2005年3月までの2年間に水晶体班からの全国および国際学会での発表は28題、論文は9題になり(白内障・眼内レンズ学会、臨床眼科学会、眼科手術学会など)、今年は6月に白内障・眼内レンズ学会にて6題の発表を終え、秋にESCRSへ2題、臨床眼科学会に1題を予定しています。
研究活動としては、各自テーマを持って臨んでおり、永本助教授は基礎的研究として後発白内障の成因・機序およびその抑制、調節力を持った人工水晶体について、また臨床では、先天白内障・アトピー白内障・後発白内障・難症例・特殊例について、並木は白内障の形態別の原因究明について、渡邊は角膜内皮保護について、松木は臨床的な特殊例・希少例について検討し、前に述べた学会等で発表しております。

4.教育 
 白内障手術は多くの眼科医にとって初めて習得する内眼手術ですが、決して単純なものではなく、特により確かな技術が要求される現在の医療状況では、研修医の教育は重要かつ困難になってきています。そのため手術教育にも力を入れており、毎週水曜日の白内障手術勉強会と、月3回のウェットラボ、および実践的な手術指導を行っています。研修医だけでなく手術を始めた専攻医も参加しており、学ぶものが多いという感想を得ています。白内障手術は術者も多く、一般に広まっている手術であり、その方法には様々なバリエーションがありますが、1つ1つの手技の意味を考え、侵襲を最小限にとどめようと努力し、あらゆる起こりうる危険性を予測して手術を進めていくことが、いかに重要であるかを研修医のうちから学んでいくようにしています。 
 以上が水晶体班の近況報告となりますが、近隣の先生方からは安心して手術の患者さんをご紹介いただけるよう、これからもよりよい手術・医療の向上を目標として、邁進していく所存です。今後ともどうぞよろしくお願い致します。


杏林アイセンターにおける白内障手術件数の推移

 <3>


外来表

イベント情報

〈OPEN CONFERENCE〉    国内外の先生にインフォーマルな場で臨床、研究テーマについて講演していただくシリーズです。
                 外来棟の10階第2会議室で6:30PMから行われます。アイセンター外の先生方も是非ご参加下さい。

10月12日(水)    「病的近視の長期経過と治療―特に近視性脈絡膜新生血管について」
             大野 京子先生 (東京医科歯科大学眼科講師)

11月 9日(水)     「糖尿病網膜症の治療にFAは必要か?」
 6 pmから        大越 貴志子先生 (聖路加国際病院眼科)
            「Update on Optic Neuritis and Multiple Sclerosis」
              Nicholas J. Volpe, M.D., Associate Professor of Ophthalmology
              Scheie Eye Institute, University of Pennsylvania

編集部より

 外来手術室はほぼ眼科専用となり、時間内であれば緊急手術の受け入れもかなり容易になりました。中央手術室も加えて網膜硝子体手術が3列平行でということも珍しくありません。懸命に手術患者さんの数に対応しています。手術に限らず、すべての専門分野で人手不足が悩みです。 〈 T.H. 〉

<4>