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 前に立って一緒に歩く人について「ガイド」、「手引き」という言い方がされていますが、以下の文章では「ガイド」と称します。家族、友人と行動を共にする場合、また「手を貸しましょうか」と言って横断歩道や階段を一緒に移動する場合、店内を店員さんが案内してくれる場合。様々な状況でのガイドがあります。ガイドする人も、される人も安全な歩行を心がけましょう。

気をつけること>

・ガイドしている方へ

 ガイドをしている方、されている方が安全に歩くために基本姿勢や歩行時のルールがいくつかあります。以下に挙げるのは、その基本姿勢と具体的な場面での配慮事項を一部取り上げたものです。

  
項目
ポイント
基本姿勢

ガイドの肘の上を腕を90度曲げて掴む。これにより、ガイドとガイドされる側の距離が半歩になります。身長差によっては肩に手を乗せることや手首を掴むこともあります。ガイドは手を下げ、脱力しておきましょう。

  • ガイドされている人を引っ張ったり、後ろから押すことは危険です。
コミュニケーション

歩調、段差や曲がり角の有無、現在地、ガイドされている人が安心して確実に目的地まで歩けるよう、多くのやり取りを心がけます。

歩調

ガイドされている人と歩調を合わせましょう。「早くはないですか」「遅くはないですか」という確認をすると良いでしょう。歩調が速いとガイドされている人は引っ張られる形となり、横歩きのようになってしまいます。逆に遅すぎるとガイドとの適切な距離が保てず、ガイドにぶつかったり、段差や障害物の前で立ち止まれなかったりします。

ドアの通過
  1. ドアを通過すること、ドアの状態(閉まっている・開いている)、ドアの形状(押し戸、引き戸、横開き/右開き、左開き、観音開き)を予め伝えます。
  2. できるだけ、ガイドされる方が蝶番側にくるようにします。
  3. ガイドは掴まれているほうの手でドアを開けます(ガイドされている人が、引き戸なのか、押し戸なのか自然に知ることができます)。
  4. ガイドされている人は自分の腰あたりを防御する姿勢をとります。
  5. そのまま進み、ガイドされている人がドアに接触します。
  6. ガイドされている人がドアを閉めます。
  • いつも使う部屋、教室は常に開けておく、閉めておくなどのルールがあったほうが良いでしょう。
  • もしもガイドされている方がドアノブ側(蝶番の反対側)にいる場合は、予め位置交代を行っておくとよいでしょう。
階段、段差
  1. 「(数段の、1段の、1階分の)階段(段差)があります」と予め伝えておきます。
  2. ガイドは段差の縁に垂直に進みます。
  3. ガイドされる人がガイドと横並びになります。
  4. ガイドが先に段差を昇り(下り)はじめ、ガイドされている人は1段遅れて昇り(下り)ます。
  • 螺旋階段など段の角度がわかりづらいときや、バランスがとりづらいとき、手すりを利用できるようであれば手すりを利用すると良いでしょう。
  • 手すりを掴ませた後、一人で階段を昇り(下り)することも選択肢の1つです。
エスカレーター
  1. エスカレーターがあることを伝えます
  2. ガイドされている方にエスカレーターの手すりを掴ませます。
  • この後は単独で乗降するほうがスムーズなようです。
狭い通り
  1. 「通りが狭くなります」と予め伝えます。
  2. ガイドされる人は掴んでいる部位を肘から手首に移動します。
  3. ガイドは手を腰の中央におきます。
  4. ガイドされる人がガイドの真後ろにいることを確認して下さい。
  • 机が並んでいる、椅子が並んでいるなど障害物に衝突しそうなときはガイドされる人に、それを伝え、また手で体の防御をすることを取り入れましょう。
手を離すとき

ガイドが切符を買いに行く、席につくなど、ガイドの手が離れる場合には、空間に一人きりになることがないように気をつけます。具体的には、切符を買いに行くときには、近くの柱や掲示板などに接触させます。席につくときにもテーブルと椅子の両方に接触させると良いでしょう。

自動改札

ガイドが先に通るか、ガイドされている人が先に通ります。自動改札の上面に手を触れさせれば、方向がわかるでしょう。

車に乗る時
  1. ドアの縁と、車の上部の両方を両手を使って触らせます。
  2. おしり、頭部、足の順に車の中に体を入れるとスムーズです。

・ガイドされている方へ

 ガイドされる方もガイドの気をつけることを把握しておきます。 「もう少しゆっくり」「肘の上をつかませて下さい」など、ガイドの方とのやり取りを積極的に行ってください。ガイドする方への負担も、される方への負担も軽減することができます。

 そして、障害物があることが明らかなとき、段差があることが明らかなときは空いているほうの手で防御する、杖を用いて定位することも必要です。

 また、ガイドが不必要であるときに「手を貸しましょうか」と言われたとき、「ありがとうございます。大丈夫です」など断ることも必要でしょう。断れないままガイドされ、方向や現在位置がわからなくならないように気をつけます。

 

 ガイドの姿勢、配慮する点をまとめた本、冊子も出版されています。

<関連書籍一覧>