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眼の病気

眼の病気についての簡単な説明です。程度や進行の仕方は個人差がありますので詳しくは主治医にお聞きください。

糖尿病網膜症

黄斑変性症

緑内障

網膜色素変性症

ブドウ膜炎

サルコイドーシス

ベーチェット病

原田病

白内障

角膜の病気

網膜剥離

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糖尿病網膜症
 
<糖尿病網膜症とは>
糖尿病になると、体中の血管にいろいろな変化が起こります。その結果目にも様々な病気がでてきます。特に網膜という光を感じるだいじな膜に重大な変化があらわれます。小さな血管にこぶができたり(毛細血管瘤:もうさいけっかんりゅう)、網膜に出血を起こしたり(網膜出血:もうまくしゅっけつ)、むくみがでたりします(黄斑浮腫:おうはんふしゅ)。これらをまとめて糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)といいます。軽いうちはそれほど視力にも影響しませんが、ある程度進行すると大きな出血やむくみのせいで視力が落ちたりします。もっと進むと、増殖糖尿病網膜症(ぞうしょくとうにょうびょうもうまくしょう)といって、目のなかに出血したり(硝子体出血:しょうしたいしゅっけつ)、網膜剥離(もうまくはくり)をおこしたりして、視力も非常に悪くなってしまいます。治療をしないと最終的には失明することもあるこわい病気で、現代社会の失明の主な原因のひとつとなっています。

 

<症状>
ほとんどは見え方に関する症状です。視力が低下したり、かすんだりします。その程度は病気のすすみぐあいによります。糖尿病網膜症のために視力が低下してしまうと、多くの場合もとどおりにはなりません。
 
< 糖尿病網膜症になりやすい人>
糖尿病が原因であるのはもちろんですが、特に糖尿病になってからの期間と、血糖のコントロールの状態によります。だいたい糖尿病になってから10〜15年くらいたつと網膜症がでてきます。基本的には血糖のコントロールが悪い人ほど早く出て、早く進行します。
 
<治療>
糖尿病自体が完全になおる病気ではないので、まずはできるだけ血糖値を正常に近い状態にすることがだいじです。つまり、内科的な治療をまずきちんと受けることです。網膜症がでても、すぐには治療しません。視力が落ちたり、網膜症が進行してくるようであれば、レーザーによる治療を行います。レーザーが十分できれば、それほど進行しないですむかもしれませんが、レーザーの後は多少みえにくい感じは残ってしまいます。それでも進行するようであれば手術を行います。以前より手術の成功率は上がっていますが、それでも網膜の状態が悪ければ手術をしてもあまり回復しないこともあります。

 

< 経過>
きちんとレーザーができれば、あまり進むことはありません。もし進んだとしても失明する危険性は少なくなります。糖尿病網膜症はある程度進みやすい時期というのがあります。この時期をのりきれれば、その後はあまり悪化することはありません。一般的には若い人ほど進行が早い傾向がありますので、30〜40代の人はより注意が必要です。

 

< 注意すること>
網膜症が出る前から血糖値に気をつけるのが重要です。網膜症がでてからも気をつける必要がありますが、いったん網膜症が悪化すると、いくら血糖値を良くしてもどんどん進んでしまうこともあります。ですから、網膜症がでるまえから糖尿病の治療をきちんとするのが一番大切なことです。そしてもし網膜症がでたら、たとえ症状がなくても眼科に定期的にかかり、医師の指示に従うのが重要です。

 

<ロービジョンケア>

<患者の会>

 

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網膜色素変性症
 
<.網膜色素変性症(もうまくしきそへんせいしょう)とは>
 光が眼の中にはいると、眼の内側をおおっている網膜(もうまく)というところに集まります。網膜は1億個以上の光を感じとる視細胞(しさいぼう)というものからできていて、いうなればカメラのフィルムです。網膜に光があたると脳に電気信号が送られて、見えたと感じるわけです。この細胞が徐々にはたらかなくなってしまうのが網膜色素変性症です。多くの場合、両目ともに発病します。
 日本では4000人に一人、全国で約3万人がこの病気にかかっていると言われています。
 
<原因>
 まだはっきりとはわかっていませんが、遺伝が関係していることがおおいようです。遺伝によるものであれば子供にも病気がでる可能性がありますが、その確率は人によってさまざまです。

 

<症状>
・夜盲(やもう)
普通はじめにあらわれる症状は暗いところでものが見えにくくなるというものです。たとえば映画館やバー、水族館、プラネタリウムなど暗いところででつまずいたり人にぶつかったりするようになります。
 
・視野狭窄(しやきょうさく)
病気が進んでくると見える範囲がだんだんせまくなってきます。ふつうはまわりの方から中心に向かってせまくなっていくため、症状がかなりすすむまでまん中だけはわりと視力がよかったりします。この視野狭窄がひどくなると人とすれ違うときにぶつかりやすくなったりします。
 
・視力低下
・実際は60歳以上でも0.2以上の視力がある人が半数以上です。病気になってから40年以上すぎると視力は6割くらいの人が0.1以下になってしまいます。
 
・ 羞明(しゅうめい)
多くの方はまぶしい光が苦手です。また強い光を長時間受けることはあまりよくないといわれています。晴れた日の屋外にでるときはサングラスが役に立ちます。ただし一般のサングラスをすると暗く感じてしまうこともあるので眼科医によいサングラスを選んでもらう必要があります。

 

こういった症状には次のような特徴があります。

 
・個人差が大きい
視野がある程度せまくなっても視力が保たれたまま一生を終える人もいれば、30代で視力、視野がともにかなり悪くなってしてしまう人もいます。自分の目が今後どの様になるのか、その経過を定期的な視野検査などからじっくりみきわめることが大切です。
 
・徐々に進行する
網膜剥離、糖尿病網膜症、急性緑内障発作などは急激に視力が低下することがあります。
それと比べると網膜色素変性症の進行は普通ゆるやかです。ほかの病気と比べて網膜色素変性症は準備期間がたくさんある疾患といえます。網膜色素変性症になってしまったからといってあまり悲観せず、ゆっくり考えることが出来ます。
 
・日によって見え方が変わる。
体調などによって調子のいい日、悪い日があります。ある日、急に見え方が悪くなったと感じることがありますがその見え方がずっと続くことはありません。しばらく様子を見ていると見え方が元に戻るようなこともあります。その日の見え方で一喜一憂する必要はありません。

 

<治療>
現在行われている治療は病気の進行を遅らせることを目的としています。
一つには強い光にさらされるのを避けることにより病気の進行を遅らせることが期待できます。しかし必要以上に光をおそれることはありません。日常さらされる程度の光で病気の進行がはやまるということはありません。
 もう一つは薬による治療です。ビタミン剤、循環改善剤などがありますがこれらの薬で病気の進行をどの程度遅らせることができるかははっきりしていません。

 

<生活で気をつけること>
 病気について正しい知識をもちましょう。眼科医に説明を受けたり、患者本人や家族が網膜色素変性症の専門外来やロービジョン外来のある病院で指導を受けることもできます。そのような場所は同じ病気を持つ人と接することができ自分の悩みなどを相談することもできます。不確かな知識で自分の生活が圧迫されないようにしましょう。また全国45ヶ所に網膜色素変性症協会というものがあります。会報や医療相談、講演会の開催などを行っています。
 
<何か生活の補助は受けられるのか>
 網膜色素変性症は1996年に特定疾患に指定されました。これにより医療費の負担が減らせます。補助を受けるための手続きは各都道府県で異なりますので保健所などでおたずねください。

 

<ロービジョンケア>
<患者の会>

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緑内障
 
< 緑内障とは>
目の中には一定の量の水が流れています。茶目(虹彩:こうさい)の根本にある毛様体(もうようたい)というところから、目の中に水が作られて、この水は目の中を循環したあと、黒目と茶目の境目にある隅角(ぐうかく)というところから、目の外に出ていきます。普通は作られる水と出ていく水の量が同じなので、目の硬さ(眼圧:がんあつ)が一定に保たれているわけです。
ところが、なんらかの原因でこのバランスがくずれて、作られる水より出ていく水の量が減ってしまうと、目の中に水がたまってしまって、その結果目が硬くなってしまいます。そうすると目の神経(視神経:ししんけい)がいたんでしまって、視野(しや)がせまくなってしまいます。これが緑内障です。
最近では、眼圧が正常なのに視神経がいたんで視野がかけてくる正常眼圧緑内障(せいじょうがんあつりょくないしょう)というタイプが非常に増えています。
 
 
< 緑内障になりやすい人>
高度近視、糖尿病、目の病気がある人、両親や家族に緑内障の人がいる、などの条件にあてはまる人は普通の人より緑内障になりやすいといわれています。
急性の緑内障は、遠視の強い中高年の女性におおくみられます。40歳以上の30人に一人は緑内障があるという調査もあるほど、けっしてめずらしい病気ではありません。

 

<症状>
急性の緑内障はとつぜん目が痛くなって、充血、視力低下、はきけ、頭痛などがおこりますが、このタイプは全体の10%くらいです。残りの緑内障は、はじめのうちはまったく症状がありません。これが緑内障の一番の問題点です。症状がないので、健診や眼科に受診した時にはじめて発見されることが多いのです。ですから、しらない間に進行してしまって、症状が出たときにはもうそうとう悪くなっているというようなこともあります。
 
<治療>
急性のタイプはまずはレーザーの治療を行います。だめなら手術を行います。慢性の場合は、まず目薬の治療を行います。眼圧をできるだけ下げるような薬を使います。それでも十分でない場合は飲み薬も使いますが、ここまでくると手術が必要になってしまうことが多いようです。

 

<経過>
急性のタイプをのぞけば、緑内障は一生つきあっていかなければならない病気です。しかも、残念ながら一度悪くなってしまった視野は、もとにもどるということはありません。きちんと医師の指示にしたがって目薬を使い、眼圧がコントロールできれば、最後まで視力を失わずにすむでしょう。目薬をさぼったりして眼圧が高い状態をほおっておくと、いつのまにかほとんどみえなくなるということもあります。ですから、緑内障と診断されたらまずきちんと病院にかようことです。ちゃんと治療すればたいていはそれほど進まなくてすむでしょう。

 

<ロービジョンケア>
<患者の会>

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黄斑変性症

<黄斑変性症(おうはんへんせいしょう)とは>

眼はカメラとよく似ています。カメラのフィルムのはたらきをしているのが、網膜(もうまく)と呼ばれる膜です。特にその中心部はものをみるのに一番だいじなところで、黄斑(おうはん)とよばれています。黄斑変性症というのは、この黄斑に出血をおこしたり、水がたまったりする病気です。中央の部分がいたんだフィルムを使って写真をとると、一番だいじなまん中がきれいに写らないように、みようとするまん中が黒く欠けたりゆがんだりします。

 

<原因>
まだはっきりはしていませんが、年齢による変化が一番影響しているようです。ふつうは70歳以上で、若くても50歳以後におこります。このほかにタバコなどが関係しているといわれています。

 

<経過>
新生血管(しんせいけっかん)というもろくて悪い血管が黄斑にでてきて、眼底出血をおこしたりきずをつくったりします。進んでしまうとおおくの場合視力が下がります。両眼におこることが多く、初めは片眼だけでも約5年後には2〜4割の患者さんで反対の眼にも同じような変化がおきてくるといわれています。

 

<治療>
黄斑変性症にはまだ確実な治療法はなく、特効薬もありませんが・・・
いまのところ
1) レーザー
2) 手術
3) インターフェロン注射
4) 放射線療法
5) 温熱療法(おんねつりょうほう)
などがあります。しかし、必ずしも良くなるとはかぎりません。
レーザーは、新生血管だけでなく正常な網膜も一部やいてしまうので、焦げたフィルムを使って写真を撮るのと同じで黒くみえない部分ができてしまうことがあります。
手術も患者さんによっては、術後にものが二つにみえたりななめにみえたりします。いずれも、その効果についてはまだ確立したものではありません。
 
当アイセンターでは、おもに温熱療法をおこなっています。これは、弱いレーザーで新生血管がおおきくなるのをふせいだり、ゆがみの原因になる網膜のむくみをおさえるものです。

 

<ロービジョンケア>
<患者の会>

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ぶどう膜炎

<ぶどう膜炎とは>
ぶどう膜とは虹彩・毛様体・脈絡膜の3つの眼球内の組織をまとめた呼びかたです。このぶどう膜に炎症の起きる病気がぶどう膜炎です。ぶどう膜炎のなかには、ベーチェット病・サルコイドーシス・原田病などの数10種類以上のものがあります。いろいろな原因で起こりますが、よく分かっていない部分も多くある病気です。そのため、ぶどう膜炎の原因がはっきりと診断できるのは、全体の1/3から2/3程度です。ぶどう膜炎のなかには、全身の異常と関係があるものもあり、そのために全身の詳しい検査や注意が必要になります。ぶどう膜炎には、治療の困難なものや慢性のものも多く、放置すると炎症や合併症などのために網膜や視神経が傷害されて視力が回復しなくなることもあり、また、あらゆる治療を試みても視力の低下を防ぐことができない場合もあります。

 

<症状>
 ぶどう膜炎は、眼のなかの炎症の部位や程度によって、色々な症状を起こしてきます。特に多いのは充血、目が痛い、光がまぶしい、目がかすむ、黒い影のようなものが見える(飛蚊症:ひぶんしょう)、ものが見にくいといった症状です。
 ぶどう膜炎は合併症として、緑内障、虹彩後癒着(水晶体と虹彩がひっつく)、白内障、網膜の障害などを起こすことがあり、これらの合併症は、重篤な視力障害につながることがあります。
<治療>
 ぶどう膜炎は、さまざまな原因で起こってくるため、治療方法もさまざまです。病気の状態によって、使う薬の種類もさまざまで、また使用方法も、点眼・内服・注射・点滴などがあります。時には、眼の手術が必要となることもあります。現在行われている治療で、すべてのぶどう膜炎がすぐに完全に治療できるわけではありません。治療法のなかには、頻度は低くても重大な副作用がおこる可能性があるものもあります。しかし、ほかの治療では効果が不十分で、高い治療効果が期待できる場合には、強い副作用があると分かっていても、その治療法を選択せざるを得ないこともあります。ぶどう膜炎には、治療の難しいものや、治療に長い時間のかかるものが多く、慢性化するものも少なくありません。また、特徴のひとつに再発性があります。治療でいったん症状がよくなっても、薬を減らしたり治療を中止するとよく炎症が再発しますので、注意深く薬の量を調節することが必要になってきます。軽い炎症や合併症が起こっていても、患者さん自身では気がつかないことも少なくありません。症状が良くなっても、患者さん自身の判断でくすりの量を減らしたり、中止したりすると重大な障害を起こすことがあります。何かの理由でくすりをき ちんと使えなかったときには、医師に連絡してください。また、医師の指示があるまでは、患者さんだけの判断で通院をとめないでください。症状に応じて適当な間隔で受診し、炎症の状態やその他の異常などがないかどうか、定期的に診察をうけてください。
 
<ロービジョンケア>
<患者の会>
 

 

   杏林アイセンター 眼炎症部 (河原、高間、宮本、森村、岡田)

 

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サルコイドーシス

<サルコイドーシスとは>
 からだにケガをしたときに、傷をなおすためにできてくる組織を肉芽(にくげ)といいます。この肉芽がケガもないのにできるのが、サルコイドーシスの特徴です。サルコイドーシスでは、眼以外でもリンパ節、肺、皮膚、骨、肝臓、心臓などに不必要な肉芽(肉芽腫といいます)ができていろいろな症状をおこします。
 
<症状>
眼には、ぶどう膜炎・網膜静脈炎が起こります。かすみ目、まぶしい、充血、飛蚊症といった症状があります。眼の中で炎症が強く起こったり長い間炎症が続くと、網膜の中心部(黄斑)がはれて網膜が障害されたり、また、緑内障や白内障などを起こし、視力に重大な影響を与えることがあります。

 

サルコイドーシスでは、全身に肉芽腫ができるため、全身(からだ)の検査が必要になります。この病気では肺のリンパ節がはれて大きくなることが多く、胸部のレントゲン撮影やCT検査、気管支鏡検査をおこなうことがあります。特殊な血液や尿の検査以外にも、異常の ある組織(皮膚やリンパ節など)をとってきて組織を調べることもあります。このような検査はサルコイドーシスの確定診断に非常に役立ちます。しかし、全身の検査は大きな臓器の変化を反映するため、変化がわずかなときには異常が分からないこともあります。
<治療>
 眼のサルコイドーシスは比較的視力予後は良く重大な合併症を起こすことは少ないですが、慢性化することが多い病気です。治療は、ぶどう膜炎や網膜静脈炎が軽いときには、点眼薬だけです。眼底の炎症が強いとき、視神経に炎症のあるとき、硝子体混濁の強いときなどには、ステロイド剤の内服が必要になります。この病気はステロイド剤の内服で十分な治療効果が得られることが多く、治療が困難な人は少数です。ステロイド剤の内服は、効果的ですがある程 度の長期間(数ヶ月〜数年)にわたって内服を続けることが必要です。薬の量を減らすと再発することが珍しくなく、慢性化することも多いため、自覚症状がなくなっても定期的な通院が必要です。眼以外の全身症状は大きな障害を起こすことは少ないですが、サルコイドーシスは慢性の病気のため、長い経過の中では心臓や脳神経に肉芽腫ができて生命に危険が及ぶことがあります。そのため、年に何回かは全身の検査(血液検査やレントゲン撮影)を行い、定期的に全身状態の変化を確認しておくことが大事です。治療中に気になることがあれば、医師に状態をお知らせください。ほかの科でも診察する必要があるかもしれません。
 
<ロービジョンケア>
<患者の会>
 

杏林アイセンター 眼炎症部 (河原、高間、宮本、森村、岡田)

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ベーチェット病

<ベーチェット病とは>
ベーチェット病の原因はまだよく分かっていません。この病気の基本的な異常は、血液のなかの白血球の反応が非常に強いことと、炎症のために静脈がつまる(閉塞性静脈炎)ことが特徴です。この病気にかかりやすい遺伝的素質を持っている人もいます。

 

<症状>
目では、「ぶどう膜炎」と「網膜炎」が起こります。虹彩毛様体炎(前部ぶどう膜炎)は、充血や痛み・かすみ目を起こしますが、炎症が治まれば視力は回復します。炎症が眼底に起こる(網膜炎)と、炎症のおこった網膜が破壊されるため、炎症を繰り返すと徐々に視力が低下し、視野(ものの見える範囲)が狭くなり失明することがあります。再発を繰り返すことも珍しくありません。合併症として白内障、緑内障、黄斑変性(ものを見る網膜の中心部にきずがつく)、視神経萎縮などを起こすことがあります。
 
 静脈は全身のいたるところにあるため、多彩な症状が全身に出現します。
1. アフタ性口内炎:唇の裏側・舌・歯ぐきなどに潰瘍ができる。
2. 皮膚の症状:
    結節性紅斑 (手足にしこりができる。赤く腫れて押すと痛い。)
    皮下の血栓性静脈炎 (皮膚の静脈がはれておさえると 痛い。)
    にきびができやすい。皮膚の毛根が化膿する。カミソリ負けしやすい。
3. 陰部潰瘍:外陰部の皮膚に掘れた潰瘍ができて痛む。
4. 関節炎:ひじ、ひざに起こりやすい。はれたり痛んだりする。
5. 胃腸症状(腸管ベーチェット)、脳や脊髄の異常(神経ベーチェット)、全身の大きな血管の異常、肺・泌尿器の異常、難聴などを起こすことがあります。
 
ベーチェット病は全身的な病気であるため、眼科だけではなく内科など、ほかの科でも色々な検査をする必要があります。これらの症状は一度に全て起きるのではなく、このうちの幾つかの症状がでてきます。眼以外に症状のないベーチェット病もあります。胃腸症状・大血管の異常・脳や脊髄の異常は生命にかかわることがありますので、眼以外にからだの異常がありましたら、診察医にお知らせください。
 
<治療>
残念なことに、この病気を完全に治す治療法は現在のところありません。しかし、薬である程度まで病気をコントロールすることができます。治療には色々な薬(コルヒチン、シクロスポリンなどの免疫抑制剤、ステロイド剤、アスピリン)が使われます。
 
1) コルヒチン  :炎症の発作予防に使います。ときに白血球減少、下痢、精子減少の副作用を起こします。
 
2) 免疫抑制剤  :リンパ球の働きを抑えて炎症を予防します。効果はありますが、腎障害・肝障害・胃腸障害・歯肉の肥厚・しびれ感などの副作用があります。
 
3) ステロイド剤 :点眼薬や結膜下注射などでよく使います。眼の症状がとくに重症の人や、大血管や中枢神経の全身症状があるときにはステロイド剤を内服や点滴で使うこともあります。
 
4) アスピリン  :血液を固まりにくくして、血栓性静脈炎の予防をします。
使われる薬のなかには強い副作用を持つものもあります。何か気になることがあれば医師にお伝えください。
 
特定疾患の申請
ベーチェット病は一定の手続きをすると医療費の自己負担分がなくなります(特定疾患の申請)。詳しくは医師にお尋ねください。
 
<ロービジョンケア>

 

<患者の会/関連施設>

 杏林アイセンター 眼炎症部 (河原、高間、宮本、森村、岡田)

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原田病

<原田病とは>
原田病の本当の原因はまだ分かっていませんが、全身にあるメラニン色素を持った細胞が、リンパ球によって破壊される病気です。メラニン色素のある眼(ぶどう膜)、毛髪、皮膚、耳、脳の髄膜などに症状がでてきます。この病気になる人には、遺伝的な素質をもっていますが、実際に発病するのはごく一部の人だけです。

 

<症状>
原田病は、症状の程度に多少の左右差があっても、ほとんど両眼同時に発症します。発症初期には、目がかすんだり見えにくくなったり、ものがゆがんで見えたりします。目の症状がおこる前に、風邪のような症状が多く見られます。また、全身的には、初期には頭痛や耳鳴り・難聴を起こすことがあり、慢性期には、頭髪の脱毛・白髪、皮膚の白斑を起こすことがあります。

 

<治療>
原田病の治療にはステロイド剤(副腎皮質ホルモン)を使います。初期に十分なステロイド剤を使って治療すれば、多くの人は後遺症なしになおります。治療の初期にはステロイド剤を大量に使いますので、最初は入院して十分な治療を受けた方が安全です。目の状態をみながらステロイド剤の量を徐々に減らしていきますが、ステロイド剤を早く減らしすぎると再発しやすくなりますので注意が必要です。ステロイド剤は退院後も少なくとも数ヶ月は内服します。残念なことに、十分な治療が行われても原田病は慢性化してしまうことがあります。慢性化すると、白内障、緑内障、網膜の障害などの目の合併症を起こして、視力が低下することがあります。

 

ステロイド剤の副作用
原田病にステロイド剤はとても有効ですが、副作用が起こることも珍しくありません。代表的な副作用を以下に挙げますが気になることがあれば医師にお伝えください。不眠、興奮、にきび、顔や上半身の肥満、胃腸障害(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎)、便秘、月経不順、糖尿病の誘発や悪化、骨粗鬆症(骨折しやすくなる)、大腿骨頭壊死(大腿骨が骨盤につながる部分が障害され、歩くと股関節がいたくなります。)

 

<ロービジョンケア>
<患者の会>

 

 杏林アイセンター 眼炎症部 (河原、高間、宮本、森村、岡田)

 

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白内障

<症状>

<治療>

<ロービジョンケア>

<患者の会>

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角膜の病気

<症状>
 眼に入った光が一番最初に通るのが角膜という組織です。血管のない厚さ1ミリメートル以下の膜で、カメラに例えるならレンズの前のフィルターのようなものです。、本来は透明なのですが、眼を正面からのぞくと角膜のうしろの組織が透けて黒っぽくみえるため、ふつうは黒目と呼ばれるのです。
 角膜は眼にとってさまざまな働きをしていますが、一番重要なのは透明であるということです。角膜を通して物を見ているわけですから、透明でないと眼の中にうまく光が入りません。この角膜がなにかの原因でにごったり、深い傷ができたりすると、視力の大きな妨げとなります。つまり角膜の重大な病気は、角膜がにごってしまうものがほとんどなのです。
 では、角膜がにごって視力が低下してしまう病気にはどんなものがあるでしょうか。
まず感染によるものがあります。眼を木の枝でつついたり、みなさんがよくお使いになるコンタクトレンズの手入れの仕方が悪いと、ばい菌(細菌)やかび(真菌)が原因で角膜に深い傷ができてしまい、治ってもにごりが残ったりすることがあります。このほかにヘルペスというウィルスが原因でにごりができることもあります。
次に生まれつきの要素が関わってくる変性症とよばれるものがあります。比較的若い頃から角膜がにごってきて徐々に進行する角膜変性症や、角膜がとびでてきて近視や乱視が強くなる円錐角膜などがあります。
その他けがや眼の手術後におこるもの、以前は鉗子分娩によるものもありました。
 これらは角膜に炎症や傷などさまざまな悪い影響を与え、最後は角膜がにごって視力のじゃまをするのです。
 
<治療>
 感染など急性の病気の場合にはまず目ぐすりなどで治療を行い、多くの場合はほとんど元通りに治りますが、変性症やひどい感染・けがなどでは角膜が白くにごってしまいます。こうなると目ぐすりや飲みぐすりではどうにもならず、最終的には手術をするしか方法がありません。
 角膜のにごりをなおす手術は角膜移植という手術で、にごった角膜を新しい角膜ととりかえる方法です。すべてが手術できるわけではありませんが、角膜だけの問題であれば手術である程度視力を回復することができるかもしれません。

 

<ロービジョンケア>
<患者の会>

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網膜剥離

<網膜剥離とは>
眼の中でフィルムの役目をしている網膜に穴(網膜裂孔:もうまくれっこう)が空き、眼球のにある水がその穴から網膜の後ろにまわりこんで網膜がはがれてくる病気です。ほっておくと網膜は全部はがれて最後には失明してしまいます。また長い間はがれたままにしておくと網膜の細胞は死んでしまいますから、たとえ治っても元どおりの視力には回復しません。
どうして網膜に穴があくのかというと、網膜のうちがわにある硝子体が網膜を引っぱるからです。こういったことは普通50歳代で多くおこるので、網膜剥離も50代の人にもっとも多くみられます。このように網膜裂孔による網膜剥離を裂孔原性網膜剥離(れっこうげんせいもうまくはくり)といいます。

 

<どんな人におこりやすいか>
まず強い近視があると普通の人よりおこりやすくなります。このほかにアトピー性皮膚炎や打撲なども原因となります。

 

<症状>

 

<診断>
最も大切なのは目薬を使って瞳をひろげてから(散瞳:さんどう)行なう眼底検査です。これでほとんどの網膜剥離は診断できます。人間ドックなどではわからないこともあります。

 

<治療>
網膜剥離を治すには手術が必要です。手術には次のようなものがあり、症状や剥離の進行状態によって、どの手術を行なうかが決まります。
 
● 光凝固術(レーザー)
網膜裂孔だけでほとんど網膜剥離がない場合行います。レーザーしても網膜剥離が広がると手術が必要になります。
 
● 強膜バックリング
白目(強膜:きょうまく)にベルトをまいて治す方法。以前はほとんどこの方法で治療していました。
 
● 硝子体手術
眼球の内側に機械を入れて治す方法。最近増えています。治りにくい場合などに行います。

 

<確率>
90%以上が一度の手術でなおすことができます。一度で治らない場合は再手術が必要になります。
早期発見、早期治療ができれば手術後によい視機能が得られる傾向にありますので、診断がついたら主治医の指示に従って、速やかに手術をうけるようにしましょう。
ただし、網膜剥離の範囲や程度によっては、視力低下やゆがみなどの後遺症が残ることもあります。

 

<ロービジョンケア>
<患者の会>
 

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