杏林ロービジョンルームからのお知らせメール

2003年4月


杏林ロービジョンルームよりお知らせ 2003/4/22

杏林ロービジョンルームです。
複数の患者さんにメールしています。

 

4月も中盤が過ぎました。ロービジョンの外来に来られた患者さんの中には、この4月から施設でリハビリ訓練を受けられる方が数名、大学に進学して理学療法士の資格取得を目指している人が数名、盲学校やリハビリ施設であんま針灸の勉強を始められる方が数名おられます。新しい生活に慣れるのは大変でしょうが、また近況などをお知らせいただけるとうれしいですね。

 

さて今回は、目が不自由でも使いやすい日常品の開発についてのお話です。

今開発途中の二つのものについての紹介をします。

 

一つはクレジットカードの開発です。

銀行のカード、クレジットカード、会員特典用のカードなど、同じ形をしたものがお財布の中に数枚は入っているものですが、それを見分けるのに苦労されたことはありませんか?

そこに着目した「共用品推進機構」という団体が、カードを識別できるように、自分で好きなマークを触って分かる形にしてカードにつけられるようにする活動を展開しています。点字でもいいし、自分できめた形でもいいのです。

そしてその活動もこの春ようやく、モニターさんに試しに利用してもらう、というところまで進んだという話をききました。

 

このような工夫はそれほど大きなことではないように聞こえるかもしれませんが、ニーズを調査してカード会社と交渉をして、という活動を、ふだんの仕事を終えた時間を利用して進めていくのは大変な時間と労力を要するもので、聞けば、このプロジェクトがここまできたのには10年の月日が必要だったということでした。

今回の試用は、一つのカード会社で作成されたカードでの試みですが、これが様々なタイプのカードに応用されるとなるとさらにまた年月がかかるのかもしれません。すでに規格が決まっている日常品の形を変えるとか、ルールを変えるというのは、ゴールにいきつくまでには多くの投資が必要なのですね。このプロジェクトに携わっている、患者さんから教えていただきました。

 

ところで、このカードを使って使用経験を伝えるというモニターを募集しているというお話です。詳細情報を知りたいという方は別途ご連絡ください。

 

 

 

もう一つご紹介する開発の話は、テレビ携帯電話のお話です。

 

これは目の不自由なユーザだけを対象に開発されたものではなく、現在盛んに行われている携帯電話の新機種開発から生まれた製品です。携帯電話にビデオカメラが付いていて、相手に自分が撮った画像を声といっしょに送れる電話なのです。

 

もらった名刺などの細かい部分をちょっと見て欲しい、とか、外出先で迷ったときに、その場所がどこか周りの風景から判断して欲しい、とか、一人で外出して誰かに誘導を頼みたいけれど、周りに頼めそうな人がいるかみてほしい、など、他人の目をちょっと借りたい、と思ったときにこの携帯電話が利用できるのではないかと着目している団体があります。

 

また送った映像を確認して指示をくれるのが必ずしも身内や知り合いでなくても、あるセンターの担当者が公務としてその役割を担う、というシステムがあると助かる人もいるのではないか、という発想もあるようです。

 

現在市場にある機種も、今いったような用途で使うにはまだまだ不備がたくさんありますが、使用経験などをメーカに報告するなどの活動も、遠い将来の応用を目指す開発事業の一つといえると思います。

 

 

その他にも、触って分かる浮きだし文字用フォントの開発の話、

印刷物の一部にあるコードをいれて印刷しておくと、その部分を読みとる機械を使ってページ内容を読み上げてくれるという製品の開発の話、なども

今後ご紹介できたらと思っています。

 

いつもお送りしている音声ガイド付き映画上映のお知らせはまた後日いたします。

少し長いメールになりましたが、ご容赦ください。

また皆様からのメールもお待ちしています。

 

 

ロービジョンルーム 田中・西脇より


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